桜が散る頃は、風が吹いて一気にすべて散る。
ということはなくて、
風が吹いてはパラパラ散って、雨が降ってはペタペタ散って、葉桜になりつつ、最後にはいつも土砂降りの大雨の日が来て、翌日木の下に桜の花びらを大量に敷き詰めては本体の木の方は桜なんて咲いていませんでしたよ?みたいな姿になっています、毎年。
なんかこの最後の大雨の日と外出の日が偶然バッティングすると雨の日がかなり嫌いな私でもなんだか嬉しい気分になります。
今年は春の嵐のような土砂降りの日に、たまたま伏見の藤森疏水沿いの桜並木を歩いていたのですが、上流からドンドンドンドン桜の花びらが緑色の水面を流れていました。
散った桜の花びらで水面が埋め尽くされる様子を花筏(ハナイカダ)と言いますが、この時歩いていたのは藤森疏水というかなり疏水幅が広いもはやよくある街中に流れている川だったので、桜の花びらは土砂降りのため大量に流れてくるのですが、疏水全面を埋め尽くすには程遠い量。
代わりに、今年最後の桜(と言ってもソメイヨシノのことなのですが)は、水面に4月の雨特有の細かい雨の波紋が並んで雅な反物、イヤもっとしっとりとした感じなのでどちらかと言えばお上品な羊羹の断面のように美しい散り様でした。
Presented by キョウトスイスイ
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