四条通を河原町から松尾に向けて車で走らせていると松尾橋あたりで突然、山と川の町に変貌するのがいつもおもしろいなあと思います。
松尾から嵐山にかけてとても狭い範囲にびっしりと家々が立ち並んでいます。
松尾は松尾大社が全国的にも有名で、地元の人は松尾大社が実はマツノオタイシャと読むことは知っていても大体マツオタイシャとかマツオサンとか思い思いに呼んでいます。
というよりは「マツオのお祭りに行く?」みたいにタイシャを省略して親しみを込めてマツオの〜と言われることが一番多いような気がします。
嵐山は言わずと知れた京都を代表する観光地で、近頃は海外からの観光客、ひらひらしたモダンな着物?を着た人で溢れかえっている印象です。
そんな松尾から嵐山にかけて細い水路が張り巡らされているのはご存知でしょうか?
一部階段が水路まで伸びていたり、欄干のない小さな橋がそこここに点在しているちょっと変わった風景が広がっています。
水路は阪急嵐山付近から古き良き住宅街を通って松尾付近まで流れていきます。
水路といえば光溢れるイタリアの水の都ヴェネツィアが明るい海に向かって運河や水路の海水が流れていくのに対して、嵐山-松尾の水路は桂川が源流の水が最終的に暗渠に消えていきます。
ヴェネツィアが陽に対して、こちらは陰。
海水のようなむせかえるような潮の香りと波の音はなくて、たまに水路の水が少なくなったときにヘドロのようなにおいがすることがあるくらいで基本においはなく、ただ静かに流れる水の音がするだけ。
私にとってはこの暗渠に向かって流れる静かな水路のある町が実質一番身近な水の都です。
Presented by キョウトスイスイ
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